AIで作った示談書を、
署名前に確認する。
示談書は、起きたことをきれいにまとめる文書ではありません。何を解決し、誰がいつまでに何を行い、約束が守られなかったときにどうするかを決める文書です。AIが作った案や相手方から示された案を、交渉経緯と元資料に戻して確認します。
最初に、示談の対象を確定します
AIは「本件に関する一切の紛争を解決する」といった整った条項を作れます。しかし、契約代金の未払い、物の返還、SNS投稿、損害賠償など複数の問題があるとき、どこまでを今回の示談に含めるかは当事者が決めなければなりません。対象が広すぎれば残したい請求まで失うことがあり、狭すぎれば合意後に別の争いが残ります。
まず、これまで何を請求し、相手方が何を認め、何を争っているかを確認します。AIへの質問に書かなかった事情や、交渉途中で条件が変わった部分も含め、示談書が現時点の合意と一致しているかを見ます。
金額だけでなく、履行の方法まで書く
支払いを定めるなら、金額、期限、振込先、手数料、分割払い、遅れた場合の扱いを確認します。投稿削除、物やデータの返還、退去、秘密保持などを約束する場合は、何を、いつまでに、どの方法で行えば履行したことになるのかを具体化します。
AIが作る文案は、義務の表現が左右対称で見栄えよくなる一方、実際には一方だけが実行できない内容になっていることがあります。相手方が履行したかを確認できるか、違反があったときに証拠を残せるかまで考えます。
清算条項は、最後に添える定型文ではありません
清算条項は、示談で定めたもの以外に債権債務がないことを確認する条項です。対象となる紛争、契約、期間、当事者の範囲が適切かを確認します。別の取引が続いている、後から損害が判明する可能性がある、第三者との関係が残る場合には、一般的な定型文をそのまま入れてよいとは限りません。
謝罪、責任の承認、秘密保持、口外禁止なども、入れれば強くなるというものではありません。目的と実行可能性を確認し、必要な条項と、交渉を難しくするだけの条項を分けます。
AI示談書案の赤入れポイントを読む →示談書の前に、交渉の流れを見ます
示談書案とAIの回答だけでなく、契約書、請求書、見積書、メール、LINE、写真、録音、支払記録などを確認します。相手方から修正案が来ている場合は、変更履歴が分かるものもお送りください。どの条件が合意済みで、どこが未決着かを整理できます。
書面の確認だけで終えるか、修正案の作成や相手方との交渉まで依頼するかは、内容を見て決められます。分量と現在の交渉状況を確認し、着手前に費用と所要見込みをお伝えします。
よくある質問
回答と確認は、ご提供いただいた資料と、ご説明いただいた事実を前提に行います。前提となる事実や資料が実際と異なっていた場合、結論もそれに応じて変わります。AIの回答そのものの正確性を保証するものではなく、その回答を資料と照らしてどう扱うかを判断するのが弁護士の役割です。
署名する前、相手方へ送る前に確認する
示談書案、AIとのやり取り、相手方から来た文面、元になった契約書や請求資料をお送りください。WEB相談にも対応しています。