AIに法律相談するとき、個人情報はどこまで書いてよいか
ChatGPTなどの生成AIに法律相談をするとき、氏名、住所、契約書、相手方とのやり取りをどこまで入力してよいか。回答の精度を落とさずに情報を伏せる方法を弁護士が解説。
法律問題を調べるとき、Google検索とAI相談をどう使い分けるか。公式情報、弁護士記事、AI要約、個別事案への当てはめの違いを整理します。
法律問題を調べるとき、以前はGoogle検索で記事を探すのが中心でした。今は、AIに事情を書き込むと、法律名や対応方法まで一気に返ってきます。
どちらがよいかではなく、使い分けが大事です。Google検索とAI法律相談は、得意なことが違います。
Google検索は、公式情報や弁護士記事、裁判所・省庁の資料を探すのに向いています。たとえば、相続登記義務化、発信者情報開示、原状回復ガイドラインなど、制度の基本を確認するには検索が役立ちます。
ただし、検索結果には古い記事や、別の前提で書かれた記事も混ざります。自分の事件にそのまま当てはまるとは限りません。
AIは、自分の事情を時系列にまとめたり、相談前のメモを作ったり、不利な事情を洗い出したりするのに向いています。検索結果を読み比べるより、最初の整理は早いことがあります。
一方で、AIの回答は出典の確認が弱いことがあります。実在しない判例や、古い情報、一般論から急いだ結論が混ざることがあります。AIが言ったから正しい、とはできません。
実務的には、まずAIで問題を整理し、その後にGoogle検索や公式情報で出典を確認する流れが使いやすいと思います。
たとえば、AIに「この相談で確認すべき法律名と資料を整理してください」と聞く。その後、出てきた法律名や制度名を検索して、裁判所、省庁、弁護士の記事で確認する。最後に、自分の資料へ戻して、実際に使えるかを考える。
この順番なら、AIと検索の両方を使えます。
検索するときは、AIが挙げた言葉をそのまま入れるだけではなく、どこが出している情報かも確認します。条文ならe-Gov法令検索、裁判例なら裁判所、制度の案内なら担当省庁や自治体が出発点になります。検索結果の見出しだけで判断せず、ページを開いて、施行日、更新日、対象となる場面を読みます。
AIが判例を挙げた場合は、事件番号、裁判所、判決日がそろっているかを確認し、裁判所の裁判例検索で本文を探します。判例が実在しても、結論だけを切り出して別の事件へ使っていることがあります。見つからなければ、その判例を前提に通知書や交渉文を作るべきではありません。
検索で見つけた記事も、AIの回答も、一般論です。最後は自分の契約書、メール、投稿、写真、請求書、登記、戸籍に戻す必要があります。
法律相談で見るのは、一般論を知っているかどうかだけではありません。その一般論を、自分の資料で支えられるかです。
AIやGoogle検索で調べた内容を持ってくることは、相談の妨げではありません。むしろ、どこまで調べたかが分かるので役に立ちます。AI添削相談では、その整理を現実の事件に戻して確認します。AIに相談メモを作らせる場合は、相談メモの持ち込み方も参考になります。
参考: e-Gov法令検索、裁判例検索(裁判所)
AIで作った相談メモ、内容証明案、相手方への返信案があれば、そのまま相談資料として確認します。